新着記事
同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」
性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。
原告8人は、現在の規定は憲法14条1項、24条1項・2項に違反すると主張していたが、判決はいずれも退けた。
同性訴訟は全国で展開しており、東京1次訴訟を含む5つの高裁では「違憲」と判断されている。今回、6つの控訴審の中で初めて結論が割れたかたちだ。
判決後、原告側弁護団は「きわめて不当な判決」と批判。これまでの控訴審はいずれも上告しており、最高裁が早ければ来年度中に判断を示す可能性がある。
最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」
裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。
参加したのは、沖縄に事務所を構える弁護士で、弁護士ドットコムニュースの取材に対して「ウェブで参加することで不利益にならないように運用してもらえたら」と話した。
夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?
パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。
相談者の女性は「SM系の嗜好」を持つ夫との関係に長年苦しんできました。
結婚前は、屈辱的な行為であっても応じたこともあったといいます。しかし、「本当に嫌だ」と泣いて伝えたところ、夫は「もうしない」と約束。その言葉を信じて結婚しました。
ところが、結婚後に再び無理やり求められるようになり、次第に「触れられることすら無理」になったといいます。女性は「離婚したい」と考えています。
「性の不一致」は、法的に離婚の理由として認められるのでしょうか。夫婦問題にくわしい鈴木淳也弁護士に聞きました。
国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?
コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。
報道によると、国分さんは、問題について謝罪するとともに、「どの行動がコンプライアンス違反とされたのか答え合わせもできないまま、環境変化の速さに心がついていかず」身動きができなくなったと述べ、何がコンプライアンス違反にあたっていると判断されたのか知りたいという思いを吐露しました。
国分さんの言い分については、「理由を説明する義務は日テレ側にはないのでは?」といった意見もありますが、どうなのでしょうか。簡単に説明します。
国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説
解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。
「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書
日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。
意見書では、2019年に施行されたアイヌ施策推進法について、アイヌの人々が「先住民族」と明記された点を評価しつつも、「アイヌ文化の普及及び啓発に施策の基本が置かれている」と指摘。漁撈・狩猟・採集等を行う権利や、アイヌの人々が公の場でアイヌ語を使用する権利、アイヌ語教育を受ける権利等を保障する規定が盛り込まれていないことを問題視している。
クマ対策グッズ「20倍」売れる東北、人々が"自衛"に走る裏で…自動ドアの「手動切り替え」に意外な盲点も
クマの気配が日常のものとなりつつある地域では、そこで暮らす人たちが「自衛」のための行動を取る必要に迫られている。
東北6県で広く展開するホームセンターでは、「クマ対策コーナー」を売り場につくり、市民の需要に応えようとしている。
今年9月から11月にかけて、秋田県では「クマ撃退スプレー」が昨年同期比で20倍の販売数を記録した。この動きはそのまま市民の不安を表しているとも言えそうだ。
「弁護士からげんこつ」女性事務員のハラスメント訴訟が和解 PTSDでいまも苦しみ「私の魂は2人を許さない」
法律事務所で働いていた50代の女性事務員が、上司にあたる80代の男性弁護士からげんこつで殴られるなどのハラスメントを受けたうえ、解雇されたのは不当だとして、地位確認と損害賠償を求めていた訴訟は、東京高裁で和解が成立した。
和解は9月27日付。男性弁護士と共同経営者である別の弁護士が女性に解決金を支払い、女性が退職する内容で、女性側が11月26日の記者会見で明らかにした。
「裁判が終わっても、私の魂が2人を許すことはあり得ません。2人には、そのことを理解して今後生活してほしいし、弁護士という責任ある立場の方々にも理解してほしいです」(女性)
女性が2022年2月7日、横浜地裁に提訴していた。
デリヘル利用の夫が「本番強要」で逮捕→10日間拘束、高額の示談金支払い 悪質風俗店の「美人局」に弁護士が警鐘
派遣型の「風俗サービス」を利用した夫が、「本番行為を強要した」との疑いで逮捕され、10日間以上も拘束されたうえ、示談のために高額の金銭を支払うことになった──。そんな体験を語るのは、50代の女性だ。
夫の解雇も覚悟し、離婚まで考えた。しかし、それでも「かすめただけで、本番を強要していない。むしろ女性のほうから持ちかけられた」と主張する夫の言葉を信じている。
愛する夫が突然逮捕され、さらに風俗店利用の事実まで突きつけられたとき、家族には何が起きるのか。また、自衛のために何ができるのか。専門家に風俗店をめぐる「本番強要」トラブルの実態を聞いた。(弁護士ドットコムニュース編集部・塚田賢慎)
理研の大量雇い止めは何だったのか 和解した研究者が明かす裁判の舞台裏と「10年ルール」の実態
「なぜ私が裁判を起こしたのかと言いますと、私に対する雇い止めとチームの解散に合理的な根拠がなかったこと、そして理研による大量の雇い止めを阻止する意味もありました。本来は裁判なんか起こしたくないんですよ。毎日研究に没頭していたかったのですが、裁判を起こさざるを得ませんでした」
そう思いを吐露したのは、国立研究開発法人「理化学研究所」の男性研究員Aさんだ。Aさんは2023年3月末での雇い止めを通告されたことを受け、2022年7月に提訴。途中で理研が方針転換して雇用は継続されたものの、降格されたため控訴審まで争っていた。そして2025年10月、和解に至った。Aさんが語ったのは、10月14日に開かれた理研労働組合による記者会見だった。
理研では2017年以降、非常勤職員や研究者の大量雇い止めが問題となっていた。労働組合が東京都労働委員会に不当労働行為の救済を申し立て、Aさんら5人が裁判で争うなど、紛争は長期化していたが、今回の和解ですべての裁判が終結した。
和解にあたり、労働組合側は次のような「理研」を主語とする文章を公表した。
「(理研は)労使コミュニケーションの齟齬により本件紛争が生じてしまったことについて、控訴人及び利害関係人らに対し、遺憾の意を表する」
しかし、Aさんは「研究者の雇い止め問題がすべて解決したわけではない」と強調する。国内最大級の研究機関で何が起きていたのか。Aさんが経緯を語った。(ジャーナリスト・田中圭太郎)