16086.jpg
渋滞を我慢できず、子どもが道路で「立ちション」 法的には?
2019年05月01日 09時14分

渋滞が予想される時には、行けるところで必ずトイレをすませるのが習慣という人は多いだろう。とはいえ、子どもや突然の渋滞時には、計画通りにいかないこともある。

都内の主婦J子さんは先日、普段は渋滞とは無縁のところで、事故渋滞に巻き込まれたという。その時、こんな思いがけないシーンを目撃したそうだ。

「待てど暮らせど、ほとんど動きません。30分くらい経ったころでしょうか。前の車から9、10歳くらいの男の子が降りてきたんです。何をするのかな、と見ていたら、その子は立ちションを始めたんです。子どもだから仕方ないと思いましたが、ほんとは犯罪なのでしょうか」と、J子さんは語った。

子どもに限らず、大人だってどうしようもない緊急事態はあるだろう。突然の事故渋滞は生理現象をこえるはずだ。それでも、立ちションは法的な問題に発展するのか。小野智彦弁護士に聞いた。

渋滞が予想される時には、行けるところで必ずトイレをすませるのが習慣という人は多いだろう。とはいえ、子どもや突然の渋滞時には、計画通りにいかないこともある。

都内の主婦J子さんは先日、普段は渋滞とは無縁のところで、事故渋滞に巻き込まれたという。その時、こんな思いがけないシーンを目撃したそうだ。

「待てど暮らせど、ほとんど動きません。30分くらい経ったころでしょうか。前の車から9、10歳くらいの男の子が降りてきたんです。何をするのかな、と見ていたら、その子は立ちションを始めたんです。子どもだから仕方ないと思いましたが、ほんとは犯罪なのでしょうか」と、J子さんは語った。

子どもに限らず、大人だってどうしようもない緊急事態はあるだろう。突然の事故渋滞は生理現象をこえるはずだ。それでも、立ちションは法的な問題に発展するのか。小野智彦弁護士に聞いた。

●「1000円以上1万円未満の使用料を払う覚悟で」

ーー法律で「立ちション」はどのように定められていますか

軽犯罪法1条26号には、「街路または公園その他公衆の集合する場所で、(略)大小便をし、もしくはこれをさせた者」は、拘留または科料にすると規定されています。

ちなみに、拘留とは1日以上30日未満拘留、科料とは1000円以上1万円未満の支払いとなります。

ーーとはいえ、事故渋滞などやむを得ないシチュエーションもあるはずです

確かに、事故渋滞で尿意や便意をもよおすことはよくある話ですね。

あまりにも我慢しすぎると膀胱炎になりかねないですし、他人の車に乗っていたりしてそこで漏らしたりすると、大げさに言えば器物損壊にもなりかねません。

このように自己の身体、他人の財産を守るために、法律を犯すことを「緊急避難」と言いますが、もしこれが成立すれば、その行為の違法性がなくなり、無罪となります。

とはいえ、そのようなことはこちら側で証明しなければならないこともあり、その証明は難しいかと思います。

ーーでは、どうしたらいいのでしょうか

通常は警察官に見つかっても厳重注意くらいでしょう。しかし、法的には問題は問題です。やむを得ない事情があるにせよ、1000円以上1万円未満の「使用料」(科料)を払う覚悟で立ちションをするしかなかろうと思います。

車の中で漏らすわけにもいかないでしょうし、悩ましい問題です。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る