牛丼チェーン大手「すき家」が発売したローストビーフ丼をめぐって、「メニュー写真と見た目が違う」という声がSNS上で上がっている。
真偽を確かめるべく、弁護士ドットコムニュース編集部の記者が、実際に複数の店舗でローストビーフ丼を実食。さらに運営会社に見解を尋ねた。
●「見た目がなんか違う」「こんなモン」賛否わかれる投稿
発端になったのは、すき家のローストビーフ丼に関するXの投稿だ。
「犬の餌みたいなの提供されて涙」というコメントとともに、提供された丼の写真がアップされた。たしかにその投稿写真からは、肉の質感がメニューのローストビーフ丼とは違うようにも見える。
ほかにも、「美味しかったけど見た目なんか違う感笑」「写真と違うという噂は本当だった(笑)」などの感想が相次いだ。
一方で、「写真と違うみたいなツイート何件か見かけて不安だったけど俺のとこは当たりでした」「確かにメニューとは違うが、こんなモンだろう」と、気にならなかったとする声もあった。
●記者たちが店で実食してみた
キャバクラなどで、宣材写真と実際のキャストの見た目に大きなギャップがある場合、俗に「写真詐欺」と呼ばれることがある。
今回のすき家のメニューもその類なのだろうか。それとも、店や調理するスタッフの違いによって生じる盛り付け方の差なのか。
疑問が深まる中、弁護士ドットコムニュース編集部の記者2人は11月19日、都内の別々の「すき家」で、ローストビーフ丼(たまご付き)を注文して検証した。
港区内の店舗で食べた記者は、運ばれてきた丼を見て「かなりメニュー写真に近い」という印象を抱いた。
多摩エリアの店舗で実食した記者も、ローストビーフが8枚きれいに並んだ丼を前に「ほぼ写真と変わらないと言ってよいレベル」だと感じた。
つまり、ネットで議論された「見た目の差」問題は、店舗ごとの盛り付け方や撮影環境の違いが影響している可能性もある。
店舗で実際に提供されたすき家の「ローストビーフ丼」(2025年11月、東京都で、弁護士ドットコムニュース撮影)
●すき家「具材の量はメニューと同じ」
すき家の広報担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に対して、次のように説明する。
「具材の量がメニューと実際の商品で異なることはございません。新商品を導入する際は、店舗に設置してある端末に商品作成マニュアルや作成手順を示した動画などを配信し、全従業員へ周知をしています」
そのうえで、今回ネットで話題になった写真については、
「今回ご指摘いただいた内容に関しては、盛り付け方について適切な状態とは異なる商品を提供したものと見受けられます。お客様にはご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。同様の問題が再び発生しないよう、全従業員に対して商品作成手順の徹底について再教育を実施してまいります」
とコメントした。
検証を終えた記者2人は、最後に同じ感想を口にした。
「結局、一番重要なのは、写真と同じかではなく、ローストビーフがうまいかどうかだ」