10119.jpg
芸能人「線路侵入」の踏切、かえって観光名所化? 撮影相次ぎ、警察「絶対にやめて」
2017年08月19日 09時51分

「ここや、ここやっ」。2人の孫を連れた高齢女性の声が竹林に響き渡った。ここは京都市嵯峨野。『源氏物語』で、光源氏と六条御息所が最後のお別れをした「野宮(ののみや)神社」からすぐの踏切だ。

「ここで写真撮った芸能人が逮捕されたんや(実際は書類送検)。テレビでやっとったで」と女性。

「芸能人」とは、タレントの松本伊代さんと早見優さんのこと。2人は今年1月、ここで写真を撮って、ブログに掲載。すると、許可なく線路に侵入していたとして炎上し、2月には書類送検される騒動になった。

京都府警鉄道警察隊によると、この踏切は元々外国人観光客に人気のスポットだったそうだ。松本さんたちの騒動以降は、線路に入って写真を撮る日本人の「模倣犯」も増えているという。

「ここや、ここやっ」。2人の孫を連れた高齢女性の声が竹林に響き渡った。ここは京都市嵯峨野。『源氏物語』で、光源氏と六条御息所が最後のお別れをした「野宮(ののみや)神社」からすぐの踏切だ。

「ここで写真撮った芸能人が逮捕されたんや(実際は書類送検)。テレビでやっとったで」と女性。

「芸能人」とは、タレントの松本伊代さんと早見優さんのこと。2人は今年1月、ここで写真を撮って、ブログに掲載。すると、許可なく線路に侵入していたとして炎上し、2月には書類送検される騒動になった。

京都府警鉄道警察隊によると、この踏切は元々外国人観光客に人気のスポットだったそうだ。松本さんたちの騒動以降は、線路に入って写真を撮る日本人の「模倣犯」も増えているという。

●看板設置も、線路での撮影は今も続く

現地に行ってみると、人気の理由がよくわかる。踏切内は見通しが良好。嵐山の緑を両脇に線路が真っ直ぐ伸びており、奥にはトンネル。いかにも写真映えしそうなのだ。しかも、観光コースである「竹林の道」の途中にあるため、日中の人通りは常に多い。

そのため、JR西日本は2015年12月から、踏切の両サイドに計3つの看板を設置。「鉄道地内へみだりに立ち入ると、日本の法律(鉄道営業法)違反により科料(注:1000円〜9999円)に処せられる場合があります」と注意を促している。

注意は日本語だけでなく、英語、中国語、韓国語訳も併記。また、線路の中にも、立ち入り禁止を示す小さな標識が置かれている。

にもかかわらず、30分ほど観察しただけでも、6組の外国人観光客が線路に立ち入っていた。このうち2組については、通りかかった人力車の車夫が「ヘイ、ガイ」と声をかけ、撮影しないよう英語で注意していた。観光人力車のえびす屋によると、気がついたときには声をかけるよう社内で話をしているという。

また、この日は見かけなかったが、JR西日本によると警備員を配置する日もあるそうだ。「重大事故の可能性があり、非常に危険。安全確保のためにも立ち入りはご遠慮いただきたいです」(同社広報)

●警察「踏切の中で立ち止まるのは危険。速やかに渡って」

線路の中に立ち入らないにしても、踏切の途中で立ち止まって撮影する人たちは、30分でざっと30組はいた。中には、「線路の中に入ったらアカンからな」と注意しながら、撮影するグループの姿も。

確かに、踏切の途中で撮影することは看板で禁止されていない。しかし、観光地であるがゆえに、日中は数分間隔で列車が行き来する。写真撮影に夢中になっていると、逃げ遅れてしまうかもしれない。

鉄道警察隊の担当者は、「踏切の中で立ち止まるのは危険。写真を撮るところではないので、速やかに渡ってもらいたい」と写真撮影そのものに苦言を呈していた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る