10263.jpg
不倫した妻が家出、夫は「話し合いたい」と職場訪問を画策… 弁護士が「リスクだらけ」と止める根拠
2024年09月30日 09時59分

不倫して家を出ていった妻の職場に、義母と共に乗り込もうと思っている──。苦悩する夫からの相談が弁護士ドットコムに寄せられました。

男性が発覚した妻の不倫を問い詰めたところ、妻は家を出ていってしまいました。妻の実家にも帰っておらず、所在が分からない状態が続いたようです。

“サレ夫”になった男性ですが、妻の不倫を許して再構築するつもりでいますが、妻と連絡が取れないことには何も始まらないため、義母とともに妻の職場に出向いて話し合いをしたいと考えています。

職場にまで押しかければ、妻の浮気が会社にバレる事態にもなりかねませんが、問題ないのでしょうか。光安理絵弁護士に聞きました。

不倫して家を出ていった妻の職場に、義母と共に乗り込もうと思っている──。苦悩する夫からの相談が弁護士ドットコムに寄せられました。

男性が発覚した妻の不倫を問い詰めたところ、妻は家を出ていってしまいました。妻の実家にも帰っておらず、所在が分からない状態が続いたようです。

“サレ夫”になった男性ですが、妻の不倫を許して再構築するつもりでいますが、妻と連絡が取れないことには何も始まらないため、義母とともに妻の職場に出向いて話し合いをしたいと考えています。

職場にまで押しかければ、妻の浮気が会社にバレる事態にもなりかねませんが、問題ないのでしょうか。光安理絵弁護士に聞きました。

●会社にバラしたら犯罪になる可能性も

──妻の不倫が会社にバレた場合、夫に責任はないのでしょうか。

妻に不倫されたとのことで大変お辛いと思います。

妻の不倫相手に対して慰謝料請求をして、金銭的な賠償を受けることはできます。ただし、妻の不貞行為を妻の会社に知らせることは法的リスクを伴います。

不倫をされた“被害者”側としては納得がいかないと思われるかも知れませんが、刑事上は名誉毀損罪、民事上も妻から慰謝料請求を受ける可能性があります。

わざと知らせたのではなく、会社に出向いたことにより結果的に知られた場合であっても、民事上は故意のみならず過失責任も問われますので、慰謝料を請求される可能性は否定できません。

夫の意識としては事情を説明する程度だとしても、「事情」の中には、妻が不貞をしたという事実が含まれますよね。したがって、大声で乗り込む場合はもちろん、穏やかに会社の人と話したとしても、妻の不貞を第三者に吹聴したのと同じですから、責任を問われる可能性があります。

──妻の会社に不倫がバレた場合、妻が会社から懲戒処分を受けることはあるのでしょうか。

通常、就業規則上の懲戒事由に不貞行為は含まれていません。

もちろん、社会生活上不適切な行為ではあります。しかし、会社組織はドライですので、仕事ができるかどうか、会社にとって有用な人材かどうかと、プライベートでどのような生活をしているかどうかは分けて考えることが多いです。

そのため、妻が必ず処分を受けるとは限りません。社内不倫の場合、一方が異動になることはあります。ただ、不貞をした男女ともその部署にとって必要な人材の場合、異動にすらならず、同じ職場で働き続けることもあります。

──相談者としては、所在を把握した上で話し合いでの再構築を考えているようです。どのような対応をとるのがよいでしょうか。

電話をしても出ない、LINEもブロックされているという状態の場合、家庭裁判所に対し、夫婦円満調整調停(修復のための話し合いを裁判所で行うための手続)を申し立てることで、裁判所から、相手の勤務先に対し、申立書を送ってもらうことができます。

また、電話やメール、SNSで連絡を取れるのであれば、相手に対し、申立書を勤務先に送ってよいかどうか尋ねると、勤務先に送られたくない人が多いですから、所在を明かしてもらえたり、実家で書類を受け取ります、といった回答を得られます。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る