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フリーランスに「朝8時出社」「社会奉仕活動」を指示…偽装請負の法的問題
2016年06月25日 11時07分

「請負で仕事を受けたと思ったら、いつのまにか従業員としてコキ使われかけていた」。フリーランスで活動するエンジニアのそんな体験談をつづったブログが、はてなブックマークで話題となった。

ブログによると、投稿者は知人の紹介でとある会社から請負の仕事を引き受けた。初回の業務は小口だったこともあり、すぐに終わった。ところが数日後、同じ会社から新たな業務依頼があり、打ち合わせのために会社に出向くと、「持ち帰り作業は禁止」だとして会社で作業させられ、請け負った業務以外の作業を次々に振られた。次の日は朝8時に出社するよう社長に指示されたという。

違和感を覚えながらも、仕事が残っていたため、翌日はしぶしぶ8時に出社した。すると、請負の仕事だけでなく、「社会奉仕」として会社が行っている近所の公園の掃除などに駆りだされそうになった。投稿者は、「本格的にやばい」と思い、請け負っている仕事を終わらせると、次に振られそうになった仕事もきっぱりと断ったそうだ。

投稿者の他にも、会社に出勤して社員のように動いている「請負」の人がいたという。投稿者は「毎日出勤して、指示受けて、見積時間外なのに奉仕の掃除して、完全に偽装請負だ」と述べていた。偽装請負は法的にはどんな問題があるのか。労働問題に詳しい野澤裕昭弁護士に聞いた。

「請負で仕事を受けたと思ったら、いつのまにか従業員としてコキ使われかけていた」。フリーランスで活動するエンジニアのそんな体験談をつづったブログが、はてなブックマークで話題となった。

ブログによると、投稿者は知人の紹介でとある会社から請負の仕事を引き受けた。初回の業務は小口だったこともあり、すぐに終わった。ところが数日後、同じ会社から新たな業務依頼があり、打ち合わせのために会社に出向くと、「持ち帰り作業は禁止」だとして会社で作業させられ、請け負った業務以外の作業を次々に振られた。次の日は朝8時に出社するよう社長に指示されたという。

違和感を覚えながらも、仕事が残っていたため、翌日はしぶしぶ8時に出社した。すると、請負の仕事だけでなく、「社会奉仕」として会社が行っている近所の公園の掃除などに駆りだされそうになった。投稿者は、「本格的にやばい」と思い、請け負っている仕事を終わらせると、次に振られそうになった仕事もきっぱりと断ったそうだ。

投稿者の他にも、会社に出勤して社員のように動いている「請負」の人がいたという。投稿者は「毎日出勤して、指示受けて、見積時間外なのに奉仕の掃除して、完全に偽装請負だ」と述べていた。偽装請負は法的にはどんな問題があるのか。労働問題に詳しい野澤裕昭弁護士に聞いた。

●法の規制をかいくぐる目的

「偽装請負とは、実態は労働者派遣、または労働者供給なのに、形式上は業務処理請負(委託)としているものです」

野澤弁護士はこのように指摘する。なぜ、そんなまわりくどいことをするのか。

「派遣が禁止されている業務(製造業など)に、労働者を請負契約として働かせて、法の規制をかいくぐることが目的です。

労働者派遣と請負の違いは、派遣は派遣先の指揮命令の下で働くのに対し、請負は注文主とある一定の仕事を完成することを約束するだけで、仕事は請負者の裁量で行うところにあります。

今回のケースも、注文主であるはずの会社が指揮命令権を持ち、しかも一定の仕事以外の仕事まで命じているので、請負ではなく派遣に該当すると言えます」

●企業側に直接雇用を求めることができる

偽装請負について、法規制はどうなっているのか。

「偽装請負は職業安定法や労働者派遣法などに反する違法行為です。それだけでなく、労働者派遣法は、次のような仕組みで労働者の保護を図っています(労働者派遣法40条の6第5号)。

実際には派遣にあたるのに、形式上請負として企業に派遣されたような場合、派遣先の会社は『派遣の場合と同じ条件で、労働契約の申し込みをした』とみなされます。

つまり、派遣先の会社は、派遣された者から『派遣のときと同じ条件で直接雇用契約を締結して、正規の従業員にしてほしい』と言われた場合、断れないというわけです。

これは違法派遣を受けた会社に直接雇用させることで派遣労働者の保護を図ろうとするものです」

投稿者のように、「請負としての仕事しかしたくない」と考えている人はどうすればいいのか。

「もちろん、派遣労働者は申し込みに応ずる義務はありませんので、嫌なら直接雇用契約をしないことも出来ます。

投稿者は、直接雇用を求めているのではなく、あくまで『請負として余計な仕事を負わされたくない』ということですから、この規定の適用は考えなくてよいと思います。

請負の範囲を超えて仕事を押し付けてきた場合は、請負者としてはこれに従う義務はないので拒否できます。もちろん、出社する義務もありません」

野澤弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

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