「某ドラッグストアチェーン店から母宛にバスツアー当選という手紙が来た。内容見てみるとみかん狩りバスツアーと称してるが、みかん狩りの時間は30分、真のメインはジュエリー工房見学称しての販売会だろうな」
Xに9月1日、そんな投稿があり注目を集めました。投稿には「手紙」の写真も添えられており、「ご当選おめでとうございます!」「この度は『お客様感謝祭プレゼントキャンペーン!』にご応募いただき、誠にありがとうございました」と記されていました。
手紙には「美食探訪」「旬のとれたてみかん狩り」といったコピーとともに、伊豆でみかん狩りが楽しめる無料バスツアーだと書いてありました。
しかし、投稿者は、みかん狩りではなく、ジュエリーの販売メインの高齢者を狙ったビジネスではないかとと疑問を投げかけました。
これに対して「観光地でも同じようなツアーがある」「参加したけど、一切買わなかった」といったコメントが寄せられ、投稿は2万2000以上拡散され、10万件の「いいね」を集めました。
実際、こうしたツアーに参加した人が高額商品の購入を勧誘されるケースがあり、国民生活センターにも相談が寄せられているといいます。
●「20万円のネックレスを購入してしまった」
「当選した無料バスツアー 高額商品の販売勧誘に注意!」
国民生活センターは2023年5月、こんな注意を呼びかけました。
同センターによると、抽選に当選したと言われ、「無料招待バス旅行」「格安バス旅行」に参加したところ、「商品販売のための店舗や工場の見学がセッティングされており、その見学会場で高額な商品を買わされた」という相談が寄せられているといいます。
次のような事例を紹介しています。
【事例1】 ドラッグストアの抽選で当たった無料招待のバス旅行に参加した。宝石店に立ち寄ることは行程表に記載があって知っていた。ショーケースが並ぶ店内で、首、肩、腰に効くという磁気ネックレスについてのパフォーマンスがあった。 最初は安い物から紹介され、段々と高額な商品の説明になった。「今回特別価格」と言われ、滞在時間も長く、断りにくい状況となり、20万円でネックレスを購入してしまった。解約したい。 【事例2】 行きつけのスーパーの日帰りバス旅行に当選し、旅行先でジュエリー工房を見学した。店内を見回っていると工房の担当者からダイヤモンドリングを勧められた。 最初は買うつもりがなかったが「光り物は運気が上がる。あなたの住まいは、運気が上がる方向だ」等のセールストークで熱心に勧められ、断りづらくなって購入してしまった。解約したいが可能だろうか。
●クーリング・オフは可能?
国民生活センターは「その場の雰囲気にのまれたり、旅という非日常の中で気分が高揚したりしてつい購入してしまうケースがみられます。強引に勧められても、冷静になり、本当に必要なものかよく考えましょう。必要がなければきっぱり断ることが大切です」と注意喚起しています。
また、実際の「バスツアーでネックレスを購入してしまったけど、クーリング・オフしたい」という相談に対して、こう回答しています。
「通常、店舗での購入は特定商取引法上のクーリング・オフはできませんが、特定商取引法の『訪問販売』に該当する場合や、事業者が独自のクーリング・オフ制度を設けている場合は、クーリング・オフができます。
書面の受領日を1日目として、8日以内に、事業者宛てにクーリング・オフを通知しましょう。クーリング・オフの対象ではないケースでも、販売方法等に問題があった場合は、解約ができる可能性もあります」
困ったときは、自分の住む自治体の消費生活センターに相談するよう呼びかけています。