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「組織のトップを死刑や無期懲役に」 工藤会撲滅に向けた警察庁長官の発言どう見る?
2015年07月09日 10時35分

「組織のトップを死刑や無期懲役にもっていく」。一般市民に向けて拳銃を発砲したり、手榴弾を投げ込んだりするなど、凶悪性が高いことで知られる特定危険指定暴力団「工藤会」(本部・北九州市)への対策として、金高雅仁・警察庁長官が口にした表現が、異例だとして話題になっている。

金高長官は6月下旬、東京都内の日本記者クラブで記者会見を開いた。このなかで、工藤会に触れて、「凶暴性をむき出しにした犯罪を繰り返してきた。抵抗する者は一般市民であっても平気に殺害してきた」と説明した。

そのうえで、金高長官は「組織による殺人は、親分の関与・命令なくしてありえない。トップを死刑あるいは無期懲役に持っていくことによって、二度と組に戻れない状態をつくり、恐怖による内部支配を崩していこうという戦略だ」「徹底した捜査を遂げることで臨んでいる」と述べた。

このような極刑に言及する発言に対して、ネット上では「勇気ある発言だ」「頼もしい」と評価する声がある一方で、「長官の発言のほうが怖い」「求刑を行うのは検察の仕事で、警察庁長官のこの発言は越権行為のような気がしてならない」といった意見もあがっている。

今回の警察庁長官の発言をどう見るか。元検察官の落合洋司弁護士に聞いた。

「組織のトップを死刑や無期懲役にもっていく」。一般市民に向けて拳銃を発砲したり、手榴弾を投げ込んだりするなど、凶悪性が高いことで知られる特定危険指定暴力団「工藤会」(本部・北九州市)への対策として、金高雅仁・警察庁長官が口にした表現が、異例だとして話題になっている。

金高長官は6月下旬、東京都内の日本記者クラブで記者会見を開いた。このなかで、工藤会に触れて、「凶暴性をむき出しにした犯罪を繰り返してきた。抵抗する者は一般市民であっても平気に殺害してきた」と説明した。

そのうえで、金高長官は「組織による殺人は、親分の関与・命令なくしてありえない。トップを死刑あるいは無期懲役に持っていくことによって、二度と組に戻れない状態をつくり、恐怖による内部支配を崩していこうという戦略だ」「徹底した捜査を遂げることで臨んでいる」と述べた。

このような極刑に言及する発言に対して、ネット上では「勇気ある発言だ」「頼もしい」と評価する声がある一方で、「長官の発言のほうが怖い」「求刑を行うのは検察の仕事で、警察庁長官のこの発言は越権行為のような気がしてならない」といった意見もあがっている。

今回の警察庁長官の発言をどう見るか。元検察官の落合洋司弁護士に聞いた。

●工藤会を「壊滅させなければならない」という危機感

「警察のような組織の役割は本来、法を公平・適正に執行することが求められています。

一方、今回の警察庁長官の発言は、その結果としての『刑罰』にまで立ち入っています。そのため多くの人に、『本来の役割をいささか超えているのではないか』という印象を与えたのではないかと思います。私もそう感じるところがあります」

落合弁護士は「少し言い過ぎだった」と考えているようだ。

「ただ、警察庁長官が自ら、このような発言にまで踏み込んだ背景を考える必要があります。

工藤会は一般市民を食い物にしたり、危害を加えたりするなど、世の中に恐怖を与えてきました。日本で唯一、『特定危険指定暴力団』にも指定されています。

警察庁長官の発言は、そんな工藤会を『壊滅させなければならない』という警察当局の危機感・強い決意を示していることは明らかです」

●徹底した戦いを呼びかける「メッセージ性」

どうして、そこまで強い『決意』を示す必要があったのだろうか。

「これまでの暴力団捜査では、警察と暴力団の一種の『馴れ合い』のようなものが、どうしてもありがちでした。それが、両者の癒着(ゆちゃく)や不正につながったり、暴力団が警察により温存されているような不透明な部分もありました。

警察庁長官の発言は、古い体質に引きずられがちな警察内部の妥協を戒めるとともに、徹底した戦いを呼びかけるメッセージ性もあったのではないかと感じます」

では、警察庁長官の発言をどのように受け止めるべきなのだろうか。

「繰り返しますが、今回の警察庁長官発言には、やや言い過ぎ感があります。その言動には今後も慎重さを求める必要があります。

一方で、そこまで踏み込んだ発言をする背景や、警察当局と暴力団が熾烈な闘いを繰り広げている現状があります。

警察当局の適正かつ効果的な活動を見守る必要性を認識しつつ、あわせて組織暴力の撲滅に関心を寄せるべきではないでしょうか」

落合弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

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