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おつりが「5000円」も多かった! 店員のミス、返金しないと罪になる?
2019年06月07日 09時44分

買い物をした際、お釣りを多くもらってしまったーー。そんな経験をしたら、どう対応するべきでしょうか。

東京都内の会社員・M也さん(30代)も、そんな経験をした一人です。ある晩、会社帰りにコンビニに立ち寄り、5000円札で支払いをすませました。すると「店員さんが、1万円札と勘違いしたようで、本来の額よりも5000円多いお釣りをもらってしまったんです」と、その時の驚きを語ります。

すぐに店員に「お釣り、多くもらってしまっていますよ」と返金しましたが、「もしあの時、僕が返さなかったら僕は何らかの罪に問われたのでしょうか」と気になっているといいます。

実際、お釣りを多くもらったのに返金しないと、罪に問われるのでしょうか。また、その場では気づかなかったものの、家に帰った後にお釣りを多くもらったことに気づいた場合はどうなるのでしょうか。大久保誠弁護士に聞きました。

買い物をした際、お釣りを多くもらってしまったーー。そんな経験をしたら、どう対応するべきでしょうか。

東京都内の会社員・M也さん(30代)も、そんな経験をした一人です。ある晩、会社帰りにコンビニに立ち寄り、5000円札で支払いをすませました。すると「店員さんが、1万円札と勘違いしたようで、本来の額よりも5000円多いお釣りをもらってしまったんです」と、その時の驚きを語ります。

すぐに店員に「お釣り、多くもらってしまっていますよ」と返金しましたが、「もしあの時、僕が返さなかったら僕は何らかの罪に問われたのでしょうか」と気になっているといいます。

実際、お釣りを多くもらったのに返金しないと、罪に問われるのでしょうか。また、その場では気づかなかったものの、家に帰った後にお釣りを多くもらったことに気づいた場合はどうなるのでしょうか。大久保誠弁護士に聞きました。

●詐欺罪が成立する可能性も

ーーお釣りを多くもらった場合、犯罪になるのでしょうか

「釣銭を多くもらった場合に成立する可能性があるのは、詐欺罪(刑法246条1項)と占有離脱物横領罪(遺失物等横領罪・刑法254条)です」

ーー詐欺罪が成立する可能性もあるのですね

「詐欺罪は人を錯誤に陥らせるという欺罔行為をして財物を騙し取る行為です。

欺罔行為は、積極的に詐言(人をだますために使う言葉)を用いる場合だけではなく、真実を告知すべき義務のある者がそれを怠った場合にも認められると解されています。

相手方が錯誤によって釣銭を余計に出したことを知っている場合は、社会生活上の条理に基づいて、相手方に釣銭が多すぎることを告知する義務があります。そのため、釣銭が多すぎることを告げないで受け取る行為も欺罔行為と解されています」

●後で気づいた場合は、占有離脱物横領罪にあたる可能性も

ーー占有離脱物横領罪(遺失物等横領罪)にあたるのは、どのような場合でしょうか

「釣銭を受け取った時点では釣銭が多すぎることに気づかなかったが、その後に多すぎることに気づきながら返却しない場合には占有離脱物横領罪(遺失物等横領罪)が成立します。

しかし、釣銭が多かったとしても、商品の代金、客が差し出した金額、戻ってきた釣銭を比 較して、その超過額がごくわずかな金額である場合には、違法性が小さいとして犯罪が不成 立あるいは検挙まではされない可能性もあるでしょう。

ただし、『超過額がごくわずかな金額』が具体的にいくらなのかについては、明示はむずかしいところがあります。あくまでケース・バイ・ケースで判断せざるを得ないでしょう」

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