13711.jpg
健全マッサージ店なのに…「セクシー対応」する同僚のせいで勘違い客が続出、スタッフ大迷惑
2024年03月22日 10時09分

「同僚女性が男性客に性的な対応をするせいで、スタッフにセクハラする客が増えて困っている」。マッサージ店で働く社員から、このような相談が寄せられている。

相談者が勤務する店は「性的なサービスを提供する風俗店ではない」という。しかし、同僚女性が男性客の要求に応じて必要以上に密着したり、下半身を揉み続けたりするなどの「過度なサービス」を提供しているため、勘違いする客が後を絶たないそうだ。

「他のスタッフを触ったり、サービスを提供しないと怒声を浴びせたりする客もいる。同僚に注意しても改善されない」と綴っている。改善のためにできることはないのか。金井英人弁護士に聞いた。

「同僚女性が男性客に性的な対応をするせいで、スタッフにセクハラする客が増えて困っている」。マッサージ店で働く社員から、このような相談が寄せられている。

相談者が勤務する店は「性的なサービスを提供する風俗店ではない」という。しかし、同僚女性が男性客の要求に応じて必要以上に密着したり、下半身を揉み続けたりするなどの「過度なサービス」を提供しているため、勘違いする客が後を絶たないそうだ。

「他のスタッフを触ったり、サービスを提供しないと怒声を浴びせたりする客もいる。同僚に注意しても改善されない」と綴っている。改善のためにできることはないのか。金井英人弁護士に聞いた。

●風営法違反にあたるおそれがある

ーー同僚の行為に法的な問題はないのでしょうか。

前提として、マッサージ店で性的なサービスを提供することが適法かの問題があります。風営法上、個室を設け、その個室で異性の客の性的好奇心に応じて接触する役務を提供する営業は「店舗型性風俗特殊営業」(風営法第2条6項6号)にあたります。このような営業を営む場合は管轄の都道府県公安委員会に届出をしなければなりません。

表向きには性的サービスを伴わないマッサージ店として営業していても、実際に個室でサービスが提供されていれば、風営法の届出が必要になり得ます。届出をしていない店で客に性的サービスを提供すれば、風営法違反になる可能性があります。

相談者の職場は風営法の届出をしたマッサージ店ではないようなので、他の従業員が性的サービスを提供していた場合、客からの通報や口コミなどをきっかけに風営法違反で摘発を受けるおそれがあります。身体を密着させたり、下半身を揉み続けたりする行為は、客の性的好奇心に応じて接触する役務にあたる可能性が高いといえるでしょう。

●違法行為に巻き込まれないように…

ーー同僚の性的サービスを受けた客から、同じサービスを強要されている従業員もいるようです。

他の従業員としては、本来経営者との間で取り交わした労働契約上の業務とは異なる内容を強いられることになります。場合によっては不同意わいせつ罪等の危険にさらされるおそれもあり、職場環境は不適切な状態にあるというべきです。

従業員は経営者に対して、労働契約上の安全配慮義務を果たすように職場環境の改善を求めることができます。改善を求められた経営者は、営業が違法状態にないか真摯に調査し、性的なサービスを隠れておこなっているスタッフがいれば、厳重に注意して改善しなければなりません。利用客に対しても過度なサービスはお断りし、要求された場合は退店を促すなどの方針を周知するべきです。

それでも経営者が改善しないようであれば、安全配慮義務違反や、採用時に説明された業務と異なる内容をさせられているとして労働契約違反を理由に辞職することもできます。違法な営業行為や利用客からの強要行為に巻き込まれないよう、早い段階で判断して行動することが重要です。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る