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早稲田大ハラスメント訴訟「慚愧に堪えません」、大学が一転して"被害"認め謝罪、女性准教授と男子学生の裁判は続行
2024年05月22日 14時52分
#早稲田大学 #女性准教授 #性交渉強要

早稲田大学・政治経済学術院の学生だった男性が、指導教員の女性准教授(当時)から性行為強要などのハラスメントを受けたとして、准教授と大学を相手取り、損害賠償を求めていた裁判。

早稲田大学は5月22日、弁護士ドットコムニュースの取材に対して、男性との間で和解が成立したことを認めた。

早稲田大学は「本学でこのようなハラスメント行為・ハラスメントに当たり得る行為が行われたことは慚愧に堪えません。被害を受けた方ならびに関係の皆様含め深くお詫び申し上げます」とコメントした。今後、大学全体で教員研修を実施するとしている。

一方で、男性と准教授との間の裁判は東京地裁で続いており、准教授側は性行為などの事実はなかったと反論している。

早稲田大学・政治経済学術院の学生だった男性が、指導教員の女性准教授(当時)から性行為強要などのハラスメントを受けたとして、准教授と大学を相手取り、損害賠償を求めていた裁判。

早稲田大学は5月22日、弁護士ドットコムニュースの取材に対して、男性との間で和解が成立したことを認めた。

早稲田大学は「本学でこのようなハラスメント行為・ハラスメントに当たり得る行為が行われたことは慚愧に堪えません。被害を受けた方ならびに関係の皆様含め深くお詫び申し上げます」とコメントした。今後、大学全体で教員研修を実施するとしている。

一方で、男性と准教授との間の裁判は東京地裁で続いており、准教授側は性行為などの事実はなかったと反論している。

⚫︎ハラスメントの申立てあれば、今後の早稲田大学は学生に寄り添う対応を約束

大学との和解が成立した5月17日、男性側が和解内容を明らかにしていた。

これによると、大学は、2017年3月から2019年5月まで、女性准教授が男性との間で多数回性交渉をし、これがハラスメントに当たり得る行為であること、男性に子どもの世話をさせるなどのハラスメント行為をしたことを認めて、深く謝罪するというもの。

さらに、大学は、解決金100万円を男子学生に支払うほか、教職員による学生へのハラスメント再発防止に力を入れることを約束している。

また、今後、大学の学生が教職員からのハラスメントを申し立てた場合、大学が学生に寄り添った対応をとることも約束している。その際、次のことに留意するとしている。

・学生が被害によるトラウマにとらわれている可能性があること
・学生が両親や弁護士に相談することが必要となる場面があること
・学生が日本語に精通していない可能性があること

⚫︎早稲田大学のコメント全文

早稲田大学は弁護士ドットコムニュースの取材に次のように回答した。

「裁判において新たな証拠等が提出され、協議が進められてきたところ、この度、本学との間で和解が成立いたしました。

本学でこのようなハラスメント行為・ハラスメントに当たり得る行為が行われたことは慚愧に堪えません。

被害を受けた方ならびに関係の皆様含め深くお詫び申し上げます。

また、本学はこの事案を真摯に受け止め、ハラスメントに関する啓発活動をさらに徹底するとともに、改めて大学全体での教員研修を行うなど、再発防止に向けた取り組みを一層強化してまいります」

⚫︎「ハラスメントなし」→「同宿したが性交渉なし」→「性交渉あった」

男性は2014年、早稲田大政治経済学部に入学し、2018年に大学院修士課程、2021年から博士過程に進学した。

2021年3月、指導教員の立場にある准教授による性行為強要があったと大学に申し立てたが、ハラスメント防止委員会と第三者委員会は2022年3月までに、いずれもハラスメント行為はなかったと結論付けていた。

同年6月、大学はそれらの判断から一転して「海外への研究出張に学生を同行させ、一緒の部屋に宿泊した行為」など、複数の項目についてアカデミックハラスメントを認定し、准教授を懲戒処分(停職6カ月)としたが、性交渉やセクハラについては認めていなかった。

今回の和解で、大学が性交渉の事実を初めて認めた。准教授は事実ではないとして、裁判で争っている。

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