16534.jpg
メルカリ、楽天、ヤフー、宿題完成品の「出品禁止」明確化…文科省と合意発表
2018年08月29日 14時01分

子どもに代わって宿題をおこなうサービスの提供や、宿題完成品の出品をめぐって、文部科学省は8月29日、オークションサイトやフリマアプリを運営するヤフー、メルカリ、楽天の3社との間で、売買禁止を明確化することを合意したと発表した。文科省の担当者は「子どもたちに、自分で宿題に取り組むことの大切さを認識してもらいたい」と話している。

子どもに代わって宿題をおこなうサービスの提供や、宿題完成品の出品をめぐって、文部科学省は8月29日、オークションサイトやフリマアプリを運営するヤフー、メルカリ、楽天の3社との間で、売買禁止を明確化することを合意したと発表した。文科省の担当者は「子どもたちに、自分で宿題に取り組むことの大切さを認識してもらいたい」と話している。

●オークションサイトやフリマアプリで「読書感想文」などが出品されていた

ここ数年、オークションサイトやフリマアプリでは、子どもに代わって宿題をおこなうサービスや、学校に提出することを想定した読書感想文・自由研究などが出品されており、問題になっていた。こうした状況を受けて、文科省は8月上旬、「子どもたちの未来を考えてよくない」として、メルカリなど大手3社に協力をもとめていた。

3社はこれまでも、宿題代行に関するサービス提供を禁止としていたが、今回の合意で、宿題完成品の売買についても禁止であることを明確化した。さらに、宿題代行に関する出品を見つけた場合、商品削除などの対応を速やかにおこなうとしている。3社は「今後とも相互の連携・協力の下、子どもたちの未来を第一に考えて取り組んでいく」としている。

●背景には「宿題の意義を感じられなくなっている」ことも

宿題代行サービスそのものが、違法とされる可能性も低いと考えられている。また文科省も、宿題代行サービスや宿題完成費の出品を法的に取り締まる権限がないため、これまで手をこまねいている状況だった。

そもそも文科省の学習指導要領では、宿題の役割が次のように位置づけられている。

「特に、低・中学年において学習習慣を確立することは極めて重要であり、家庭との連携を図りながら、宿題や予習・復習など家庭での学習課題を適切に課すなど家庭学習も視野に入れた指導を行う必要がある」(小学校学習指導要領解説 総則編)

しかし、実際のところは、一度覚えた漢字を何度も書き取りさせるなど、学校の宿題が形骸化しているところがある。文科省の担当者も、宿題代行サービスが流行する背景について「子どもたちが、宿題の意義を感じられなくなっていることがあげられる」とため息をもらす。

文科省は今後、大手3社と連携をはかりながら、「子どもたちや家庭、学校には、宿題の意義やその適切なあり方について改めて考えることを促すなど、自分で宿題に取り組むことの大切さを周知していきたい」としている。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る