17150.jpg
成人男性ファンが「小学生アイドル」を「抱っこ」 こんなイベントは法的にOKなの?
2014年10月21日 10時50分

女子小学生4人組のアイドル「ガールフレンド」のイベントで、ファンがメンバーの身体に触れるなどしたとして、運営側は、そのファンを「出入り禁止処分」にしたと、9月下旬にオフィシャルブログで発表した。

オフィシャルブログによると、出禁処分を受けたファンは、9月23日に行われたBBQイベントで、「メンバーの身体に触れる行為」「長時間にわたってメンバーを独占する行為」を複数回行ったという。ファン本人が、意図的な行為だったと認め、反省もしていないことから、こうした処置に踏み切ったという。

こうした小学生アイドルのファン交流イベントは、近ごろ物議を醸している。8月には、成人男性が小学生アイドルを抱っこする写真がネットで拡散し、非難を浴びた。ネットの一部では、こうしたイベントは「抱っこ会」などと呼ばれているようだ。

このように、成人が小学生を抱っこするようなイベントを開催することは、法的に問題ないのだろうか。秋山亘弁護士に聞いた。

女子小学生4人組のアイドル「ガールフレンド」のイベントで、ファンがメンバーの身体に触れるなどしたとして、運営側は、そのファンを「出入り禁止処分」にしたと、9月下旬にオフィシャルブログで発表した。

オフィシャルブログによると、出禁処分を受けたファンは、9月23日に行われたBBQイベントで、「メンバーの身体に触れる行為」「長時間にわたってメンバーを独占する行為」を複数回行ったという。ファン本人が、意図的な行為だったと認め、反省もしていないことから、こうした処置に踏み切ったという。

こうした小学生アイドルのファン交流イベントは、近ごろ物議を醸している。8月には、成人男性が小学生アイドルを抱っこする写真がネットで拡散し、非難を浴びた。ネットの一部では、こうしたイベントは「抱っこ会」などと呼ばれているようだ。

このように、成人が小学生を抱っこするようなイベントを開催することは、法的に問題ないのだろうか。秋山亘弁護士に聞いた。

●労働基準法に違反する?

「小学生アイドルを『抱っこ会』などに参加させ、成人男性と接触する機会を持たせることは、労働基準法もしくは児童福祉法に違反する可能性があります」

秋山弁護士はこのように切り出した。

「まず、労働基準法に違反する可能性を考えてみましょう。この法律では、18歳未満の者を福祉に有害な場所で働かせることを禁じています。抱っこ会には、性的な意図をもって小学生の身体に触る人がいるかもしれず、『福祉に有害な場所における業務』にあたる可能性があります」

見知らぬ男性に抱っこされれば、幼いアイドルが恐怖や緊張を感じてもおかしくない。まして、いやらしい気持ちで身体を触るファンがいるとなれば、抱っこ会は彼女たちにとって有害なイベントと言えるだろう。

「ただし、小学生アイドルが『本人の歌唱や演技が他人によって代替できない』『報酬は稼働時間に応じて支払われるものではない』など厚生労働省が定める4つの要件を全て満たしている場合は、そもそも労働基準法上の『労働者』ではないとして、労働基準法が適用されません」

では、小学生アイドルが「労働者」に該当しない場合、児童福祉法では守ってもらえるのだろうか?

●児童福祉法違反になる可能性は?

「抱っこ会のようなイベントが児童福祉法に違反する可能性は、十分考えられます」

どういう理由で、そうなるのだろうか?

「児童福祉法は、『法に触れることをする可能性のある人に、児童を引き渡すこと』を禁じています。

もし、抱っこ会において、抱っこに乗じて性的な目的でアイドルの胸や腰に触れる人がいれば、それは『公共の場所で、衣服などの上から又は直接人の身体に触れることで、相手を著しく羞恥させたり、不安を覚えさせる行為』として、迷惑防止条例違反などの犯罪行為にあたる場合があります。

したがって、主催者側としても、抱っこ会において上記のような行為をする人がいる可能性があると知りながら抱っこ会を行っている場合、児童福祉法に違反すると考えられるでしょう」

秋山弁護士はこのように解説していた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る