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手賀川「17歳転落死」事件--殺人罪になるのか? 弁護士がポイントを解説
2016年01月07日 10時25分

千葉県柏市で1月4日、会社員の少年(17)が橋から川に全裸で落ちて死亡した事件で、同僚ら4人の男性が殺人容疑で逮捕され、波紋を広げている。

報道によると、逮捕された同僚らは、柏市内を流れる手賀川の橋の上から少年を落として、殺害した疑いがもたれている。少年が落ちた橋の欄干から水面までは6メートルで、川の深さはもっとも深い所で3メートルあった。少年に目立った外傷がないことから溺死したとみられている。

同僚らは4日午前2時ごろ、少年を車で連れ出し、川に飛び込むよう脅したという。逮捕された男性の1人は「少年の両腕を持ってぶら下がった状態にし、『10分待つ』と言って飛び込むよう迫ったが、嫌がったので誰かが手を振り払った」などと供述しているという。

今回、殺人容疑で逮捕されたポイントはなんだったのだろうか。刑事裁判になった場合、殺人罪にならない可能性はあるのか。刑事事件に詳しい伊藤諭弁護士に聞いた。

千葉県柏市で1月4日、会社員の少年(17)が橋から川に全裸で落ちて死亡した事件で、同僚ら4人の男性が殺人容疑で逮捕され、波紋を広げている。

報道によると、逮捕された同僚らは、柏市内を流れる手賀川の橋の上から少年を落として、殺害した疑いがもたれている。少年が落ちた橋の欄干から水面までは6メートルで、川の深さはもっとも深い所で3メートルあった。少年に目立った外傷がないことから溺死したとみられている。

同僚らは4日午前2時ごろ、少年を車で連れ出し、川に飛び込むよう脅したという。逮捕された男性の1人は「少年の両腕を持ってぶら下がった状態にし、『10分待つ』と言って飛び込むよう迫ったが、嫌がったので誰かが手を振り払った」などと供述しているという。

今回、殺人容疑で逮捕されたポイントはなんだったのだろうか。刑事裁判になった場合、殺人罪にならない可能性はあるのか。刑事事件に詳しい伊藤諭弁護士に聞いた。

●「死んでしまってもやむを得ない」と認識していれば「殺意」あり

「殺人罪が成立するためには、殺意をもって、人を死なせる行為をする必要があります。

ここでいう『殺意』とは、自分の行為によって死の結果が生じることを認識し、かつ、それでかまわないと考えていたことをいいます。

明確に『殺してやる』という意識までなくてもよく、『死んでしまってもやむを得ない』という程度でも、殺意は認められます」

今回のケースで、男性らは殺人罪の容疑で逮捕されている。つまり、警察は「殺意があった」と考えたということだが、どういった点がポイントになるのだろう。

「報道されている事実からすると、少年の手を振り払った男性については、当時の川の温度や、川から橋までの高さ、川の深さなど、さまざまな事情を考慮したと考えられます。

被害者の手を振り払って川に転落させれば死亡するということを認識し、かつ、死んでもかまわないと考えていたとみて、警察は殺人罪で逮捕したのだと考えられます」

●場合によっては、別の罪に切り替わる可能性も

手を振り払ったとされる男性以外の、逮捕された同僚らについては、どう考えればいいだろうか。

「手を振り払ったとされる男性と、どの程度まで共謀していたかがポイントになると思われます」

今後、容疑が別の罪名に切り替わる可能性はあるのだろうか。

「現時点ではっきりとしたことはわかりませんが、被害者を脅すだけで川に落とすつもりは全くなかったのに予想外に男が手を振り払った、などということであれば、殺人罪ではなく、強要罪や重過失致死罪など、別の罪名になる可能性もあると考えます」

伊藤弁護士はこのように分析していた。

(弁護士ドットコムニュース)

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