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YouTuberカズさん、進研ゼミの教材届くイタズラ被害…勝手に発注した人の法的責任は?
2025年04月21日 19時14分
#YouTube #イタズラ

人気YouTuberのカズさんが、注文した覚えのない「通信教育講座の教材」が送られてきたという被害を自身のYouTubeチャンネルで明かしました。

教材はプレゼント目的で送られたのではなく、支払い用の振り込み用紙が同封されていたため、カズさんは「悪質」と苦言を呈しています。

このように商品を一方的に送りつけることに法的は問題はないのでしょうか。

人気YouTuberのカズさんが、注文した覚えのない「通信教育講座の教材」が送られてきたという被害を自身のYouTubeチャンネルで明かしました。

教材はプレゼント目的で送られたのではなく、支払い用の振り込み用紙が同封されていたため、カズさんは「悪質」と苦言を呈しています。

このように商品を一方的に送りつけることに法的は問題はないのでしょうか。

⚫︎箱の中身は低学年用の教材と振り込み用紙

カズさんの動画によると、届いた箱の中には、進研ゼミ小学講座の「チャレンジ1年生」の教材が入っていたそうです。住所は完全に一致しており、宛名はカズさんの本名に加えて、「でたらめな娘の名前」も入っていたと言います。

支払い用の振り込み用紙も同封されていたため、カズさんが進研ゼミ側に事情を説明したところ、料金の支払いは免れましたが、配送業者とのやりとりも含め、返送作業には1時間近くかかったと嘆いていました。

今回の件について、カズさんは、送りつけた人に対して「私からは何もするつもりはない」としたうえで、「いたずらで発注しないでほしい」と注意を呼びかけました。

⚫︎カズさんが言及した「偽計業務妨害」とは

カズさんは動画で、いくつか該当すると思われる犯罪について言及していました。

「AIに可能性あるやつを出してもらいました」と話しているため、動画内での解説もAIが生成した文章をベースにしていると思われます。

中でも「偽計業務妨害」と「脅迫罪」を大きく取り上げていましたので、この2つの犯罪についての成立可能性を検討してみましょう。

まずは、偽計業務妨害(刑法233条、3年以下の懲役または50万円以下の罰金)について検討します。

カズさんは、進研ゼミ側が教材を配送するための時間、また返送後に教材を再使用できるかなどの確認が必要なため、「商品を発生させ(動画ママ)、手間や費用を負担させる行為は妨害とみなされる場合があります」と説明しています。

偽計業務妨害罪は、「偽計」を用いて、人の「業務を妨害」した場合に成立します。

「偽計」とは、人の不知・錯誤を利用するなど、威力業務妨害罪(刑法234条)における「威力」以外の手段を用いることをいいます。

今回のケースでは、進研ゼミ(ベネッセ)に対して、契約する意思のないカズさんが契約すると誤信させているため、人(ベネッセ)の不知・錯誤を利用したといえそうです。

また、ベネッセに対して、契約する見込みのないカズさんへの教材郵送業務をおこなわせているため、ベネッセの業務を妨害したといえそうです。

したがって、ベネッセに対する偽計業務妨害罪が成立する可能性はありそうです。

ただし、今回のケースでは、1回限りの郵送行為であって、偽計業務妨害罪に問うほどの違法性までは認められないと判断される可能性もあります。

この場合、軽犯罪法1条31号「他人の業務に対して悪戯などでこれを妨害した者」として、拘留または科料(拘留は1日〜29日までの身柄拘束、科料は1000円〜1万円未満を支払う)にとどまる可能性もあります。

このように、偽計業務妨害罪には至らないと判断されても、処罰される可能性は残ることには注意が必要です。

⚫︎カズさんが言及した「脅迫罪」とは

次に脅迫罪(刑法222条1項、2年以下の懲役または30万円以下の罰金)を検討します。

カズさんは動画で「『あなたの住所わかってます』みたいな、『脅迫めいたものになるかもしれないから』」と話しています。

脅迫罪は「生命、身体、自由、名誉または財産」に対して「害を加える旨を告知」(害悪の告知)した場合に成立します。

害悪の告知、というためには、必ずしも具体的な危害を加える旨を告知する必要まではありません。

たとえば、2つの派の抗争が熾烈になっている時期に、一方の派の中心人物宅に、現実に出火もないのに「出火お見舞い申し上げます、火の元に御用心」などと書いたはがきを送りつけた場合、暗に放火の害悪の告知があるとして、脅迫罪の成立を認めた判例があります(最判昭和35年3月18日)。

しかし、今回のケースでは、(動画内の情報だけだと)教材が一方的に送りつけられた、ということしか明らかになっていません。この状況で「住所を知っています」と伝えるだけでは「害を加える旨を告知」したとまではいえないように思われます。

脅迫罪の成立を認めるためには、もう少し何らかの事情が必要だと考えられます。

⚫︎一方的に送りつけられた商品「直ちに処分可能」

一方的に送り付けられた商品について、消費者庁は、2021年7月6日に施行された改正特定商取引法によって「直ちに処分可能」とホームページで説明しています。

送りつけられた商品には「金銭を支払う義務は生じない」としたうえで、仮に商品を開封したり、事業者から金銭の支払いを請求されたりしても、支払う必要はないとしています。

さらに、もし金銭を支払ったとしても、返還請求ができるとして、対応に困ったら消費者ホットライン「188」へ相談するよう呼びかけています。

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