4274.jpg
鍋に指入れて「おでんツンツン」の男性逮捕、コンビニでイタズラが増えた理由
2021年02月16日 10時17分

人間はなぜ、あんなところに指を突っ込むのだろうかーー。コンビニのおでん鍋に指を入れた男性が逮捕された。

このコロナ禍で、世界の衛生意識は大きく変わった。コンビニ店でできる対抗策はフタをすることぐらいだが、決定的なものとは言いがたい。

イタズラされてしまうと、対応に時間も精神的にも手間がかかってマイナスになるという。

人間はなぜ、あんなところに指を突っ込むのだろうかーー。コンビニのおでん鍋に指を入れた男性が逮捕された。

このコロナ禍で、世界の衛生意識は大きく変わった。コンビニ店でできる対抗策はフタをすることぐらいだが、決定的なものとは言いがたい。

イタズラされてしまうと、対応に時間も精神的にも手間がかかってマイナスになるという。

●暴れたおでん男

テレビ静岡の報道(2月11日ネット配信)によると、コンビニ(静岡県浜松市)のおでん鍋に指を入れたとして、静岡県警は2月10日、33歳の男性を器物損壊の現行犯で逮捕した。

店長が注意すると、男性が暴れたため、通報したという。被害総額は約6000円と報じられている。

コンビニのおでん鍋に指を入れたことが、なぜ器物損壊なのか。冨本和男弁護士はこう説明する。

「器物損壊の『損壊』は、広く物本来の効用を失わせる行為を含みます。おでん鍋に指を入れる行為について考えてみると、普通の人は、指を入れられたおでんを食べたいと思いませんから、こうした行為によっておでんの食品としての効用が失われます。

そのため、おでん鍋に指を入れる行為も器物損壊に当たるわけです。

たとえば、おでん鍋に向かってマスクをせずに喋り続ける行為についても、普通の人は、人の唾が入ったおでんを食べたいと思いませんから、あまりにも酷い場合には器物損壊に当たるのではと考えます」

●ツンツンされると、コンビニ店の精神的・時間的な手間が増える

では、コンビニ店では、おでん鍋への悪行に対して、どのような対策を講じているのだろうか。複数のコンビニオーナーに聞いた。

あるオーナーによると、ファストフード類の什器が増えたことで、かつてレジカウンターに置いてあった鍋は、カウンター前に置かれるようになった。スタッフの目が届きにくくなり、かき回して煮崩れさせるなど、イタズラも増えたという。

対策の1つとして、鍋にフタをするという手段がある。ただ、おでん出汁の匂いを店内に広げるなどの効果がのぞめるとして、本部からは「フタを開けないと売れない」と指導されることが多いのだという。

中には、コロナ禍にあっても同様の指導をする本部社員もいる。「店内の埃・虫・お客様やスタッフの唾が入ってもおかしくない。今は鍋のフタにさらにシールドで二重ブロックしている」という店舗や、今年はおでん鍋をやめたという店舗もあった。

別のオーナーは、「万引きなどと同じく、警察に通報すると、数時間単位で対応に時間を取られます。また、損失を請求するのも手間です」と語り、いたずらに怒りを隠さなかった。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る