5724.jpg
癒しを与える「うさぎカフェ」や「ふくろうカフェ」 深夜に営業しても問題ないの?
2014年04月08日 12時11分

気軽に猫とふれあえる「猫カフェ」。猫が大好きだけど、ペットの飼えない集合住宅で暮らす人たちに人気のスポットだ。そんな猫カフェの営業時間を午後10時までとする暫定的な措置の期限が今年5月末にやってくる。しかし、猫カフェファンにはうれしいことに、環境省が、暫定措置を2年間延長する方針を打ち出した。

動物愛護管理法に関する環境省令では、動物の睡眠不足やストレスを防ぐため、ペットショップなどで犬や猫を展示できる時間を、原則、午後8時までとしている。だが、猫カフェは例外的に、午後10時まで営業が認められていた。

このように猫カフェは「特別扱い」されているわけだが、動物とふれあえるカフェはほかにもある。「ふくろうカフェ」や「うさぎカフェ」など、業界の裾野は広いように思われる。このような猫以外の「動物カフェ」の場合、午後8時以降に営業したら、違法とされるのだろうか。ペット法にくわしい細川敦史弁護士に聞いた。

気軽に猫とふれあえる「猫カフェ」。猫が大好きだけど、ペットの飼えない集合住宅で暮らす人たちに人気のスポットだ。そんな猫カフェの営業時間を午後10時までとする暫定的な措置の期限が今年5月末にやってくる。しかし、猫カフェファンにはうれしいことに、環境省が、暫定措置を2年間延長する方針を打ち出した。

動物愛護管理法に関する環境省令では、動物の睡眠不足やストレスを防ぐため、ペットショップなどで犬や猫を展示できる時間を、原則、午後8時までとしている。だが、猫カフェは例外的に、午後10時まで営業が認められていた。

このように猫カフェは「特別扱い」されているわけだが、動物とふれあえるカフェはほかにもある。「ふくろうカフェ」や「うさぎカフェ」など、業界の裾野は広いように思われる。このような猫以外の「動物カフェ」の場合、午後8時以降に営業したら、違法とされるのだろうか。ペット法にくわしい細川敦史弁護士に聞いた。

●犬猫の「夜間展示禁止」は深夜営業のペットショップがきっかけ

「夜間(午後8時から午前8時まで)の展示禁止は、2012年6月から始まった新しい制度です。それまでは、都心の一部ペットショップにおいて、深夜でも明るく照らされたショーケースに、犬や猫が展示され、酔った客にケースを叩かれるなどのストレスにさらされていました」

たしかに、深夜営業のペットショップでは、動物たちもよく眠れなかっただろう。

「ええ。これが社会問題となって、法律による規制が必要だという世論が高まったことから、新たに時間規制が導入されたのです。もっとも、このような経緯から、夜間展示禁止の対象となる動物は、ペットショップでよく売られている犬と猫だけとされました」

●「うさぎカフェ」や「ふくろうカフェ」は夜8時以降もOK

では、犬猫以外はどうだろうか。

「たとえば、うさぎなどの動物についても、夜間に商業利用することは動物にとって不適切であるとして、広く夜間展示禁止の対象に含めるべきだという意見もありましたが、残念ながら、この意見は採用されませんでした。

しかし、夜間に犬猫以外の動物を展示する場合は、『明るさの抑制等の飼育環境の管理に配慮すること』という基準が設けられました」

ということは、うさぎカフェなどは、夜8時以降に営業しても違法ではないということか。

「はい。猫以外(うさぎ、ふくろう等の猛禽類、爬虫類など)のカフェについては、午後8時以降の展示は禁止されていません。そもそも時間規制がないので、午後10時以降の深夜に展示しても、違法にはなりません。

ただ、事業者には、動物の習性などを考慮して営業時間を設定し、飼育環境を整えることが法律上求められています」

たとえ夜行性の動物でも、明るい室内で展示されたら疲れるだろう。動物のいるカフェは人が癒される場所だが、動物たちに疲れがたまらないようにしてほしいものだ。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る