626.jpg
家賃滞納で玄関ドアに錠、家財も勝手に処分…賃貸住宅「追い出し」に賠償命令
2016年04月13日 17時36分

2カ月の家賃滞納を理由にドアに錠を取り付けられ、勝手に家財を処分されたのは不当な「追い出し」だとして、東京都の40代男性が家賃保証会社「ラインファクトリー」に対し、損害賠償など330万円を求めていた裁判で、東京地裁は413日、保証会社に55万円の支払いを命じる判決を出した。

判決では、男性を締め出したことについて「不法行為責任を免れない」と指摘。家財を撤去したことについても、「刑事において窃盗罪または器物損害罪に処せられるべき行為」とした。

判決などによると、2015年当時、神奈川県のアパートに住んでいた男性は、体調不良で仕事を辞め、家賃が払えなくなった。男性は日雇い労働を始めたが、収入は不安定だったという。管理会社に連絡して家賃の支払いを待ってもらったが支払えず、2カ月が過ぎた頃から、保証会社による「取り立て」が始まった。

家の前で、周囲に聞こえるような大声で家賃を催促され、しばらくすると、ドアに外側から補助錠をつけられ、家から締め出されてしまった。保証会社に連絡すると、「家賃が払えなければ家財を撤去する」と言われたという。

男性はやむなく9日間、公園やファストフード店で夜を過ごし、新しい勤務先の寮に引っ越したが、元の家を訪ねると、家財道具は処分された後だった。

2カ月の家賃滞納を理由にドアに錠を取り付けられ、勝手に家財を処分されたのは不当な「追い出し」だとして、東京都の40代男性が家賃保証会社「ラインファクトリー」に対し、損害賠償など330万円を求めていた裁判で、東京地裁は413日、保証会社に55万円の支払いを命じる判決を出した。

判決では、男性を締め出したことについて「不法行為責任を免れない」と指摘。家財を撤去したことについても、「刑事において窃盗罪または器物損害罪に処せられるべき行為」とした。

判決などによると、2015年当時、神奈川県のアパートに住んでいた男性は、体調不良で仕事を辞め、家賃が払えなくなった。男性は日雇い労働を始めたが、収入は不安定だったという。管理会社に連絡して家賃の支払いを待ってもらったが支払えず、2カ月が過ぎた頃から、保証会社による「取り立て」が始まった。

家の前で、周囲に聞こえるような大声で家賃を催促され、しばらくすると、ドアに外側から補助錠をつけられ、家から締め出されてしまった。保証会社に連絡すると、「家賃が払えなければ家財を撤去する」と言われたという。

男性はやむなく9日間、公園やファストフード店で夜を過ごし、新しい勤務先の寮に引っ越したが、元の家を訪ねると、家財道具は処分された後だった。

「泣き寝入りしている人にも知ってほしい」

東京・霞が関の司法記者クラブで会見した原告側代理人の林治弁護士は、「『追い出し』の事案はたくさん扱ってきたが、『刑事上』の責任にここまで踏み込んだ内容は聞いたことがない」と語った。

家賃滞納などを理由とした「追い出し」はリーマンショック後に社会問題化。民主党政権下で規制法案が作られ、参院で可決されたが、衆院での審議が進まず、廃案になっている。

林弁護士は「取り立て行為でも、お金の場合は規制があるのに、家賃の場合は野放しという感じ。追い出しは今も続く問題であり、罰則を伴う法律が必要だ」と語った。

男性は会見に同席し、「他にも追い出し行為を受けた方々がいると思う。今まで泣き寝入りしている方々にこの裁判のことを知ってもらいたい」と話した。

弁護士ドットコムニュースの取材に対し、被告のラインファクトリーは「判決文が届いていないので、現段階ではお答えできません」と答えた。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る