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「夫が亡くなったら、離婚したい」「墓も別に」未亡人の願いはかなう?
2016年07月04日 00時00分

ネットの掲示板などで、「夫が死んだら、離婚したい」と打ち明ける投稿を見ることがあります。経済的な理由などから、今すぐに離婚をすることはできないけれども、相手が死んだら離婚して、きれいサッパリ独身に戻りたいと考えているようです。

気持ちの問題のこともあれば、「義理の家族との関係を絶ちたい」「夫と同じ墓に入りたくない」などの具体的な動機があることも。こうした妻たちの願望を「死後離婚」とも言うそうですが、法的には可能なのでしょうか?村上真奈弁護士の解説をお届けします。

ネットの掲示板などで、「夫が死んだら、離婚したい」と打ち明ける投稿を見ることがあります。経済的な理由などから、今すぐに離婚をすることはできないけれども、相手が死んだら離婚して、きれいサッパリ独身に戻りたいと考えているようです。

気持ちの問題のこともあれば、「義理の家族との関係を絶ちたい」「夫と同じ墓に入りたくない」などの具体的な動機があることも。こうした妻たちの願望を「死後離婚」とも言うそうですが、法的には可能なのでしょうか?村上真奈弁護士の解説をお届けします。

●死後に離婚はできないが・・・

大前提として、夫の死後に離婚することはできません。ただ、夫の死亡により、婚姻関係は終了しているわけですから、再婚することはできますよ。

それでも「死後離婚したい」と考える理由が、義実家と縁を切ることならば、2つの対応ができます。

1つ目が、「姻族関係終了届」を役所に出すことです。

「姻族関係」とは、簡単に言うと夫側の家族との親族関係のことをいいます。夫が亡くなっても、夫の両親との姻族関係は、自動的には終了しないんです。

終了させたければ、姻族関係を終了させる意思表示をする必要があります(民法728条2項)。それが「姻族関係終了届」です。この届を役所に出せば、姻族関係を終了させる意思表示をしたことになります(戸籍法96条)。

この届を出せるのは、亡くなった方の配偶者だけです。夫の死後、いつでも提出できます。

「姻族関係終了届」を出せば、姻族関係がなくなります。義両親を扶養する義務がなくなりますから、義両親が経済的に困窮したとしても、援助する義務はありません。

2つ目として、結婚前の名字に戻るのもいいでしょう。

死別の場合でも、残された配偶者の方は結婚前の名字に戻すことができます(民法751条1項)。これも役所への届出(「復氏届」)が必要です(戸籍法95条)。期限はありませんので、姻族関係終了届と一緒に名字を戻されるのが、義両親との関係を遠ざけるいい方法かもしれません。どちらも簡単な手続きです。

●お墓は事前に準備した方がよい

最後になりますが、誰がどこのお墓に入るかは法律で決められてはいません。どこに入るのも自由です。しかし、古くからの慣習がありますので、何もしていないと、亡くなった配偶者と同じお墓に入れられてしまうかもしれないですね。

夫や義両親と別のお墓に入りたいのなら、生前にご自分が入りたいお墓を確保し、遺言、お子さんへ頼んでおくなど、事前の準備が大事になってきます。

(弁護士ドットコムライフ)

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