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少女誘拐容疑の男性、千葉大が「卒業認定」「学位授与」取り消し、卒業を留保
2016年03月31日 14時32分

約2年間行方不明になっていた埼玉県朝霞市の女子中学生が保護された事件で、未成年者誘拐の疑いで逮捕された男性が今年3月まで在籍していた千葉大学が3月31日、男性の卒業認定と学位授与をいったん取り消し、卒業を留保することを決定したと発表した。

千葉大は3月28日の記者会見で、今回の事態を受けて、約2年前までさかのぼって、停学などの処分を適用する可能性があるとの見解を示していた。一方、大学側の見解に対して、「さかのぼって適用ができるのか」「学業とは別の話だ」などの指摘があがっていた。

さらに、千葉大の法学の教授からも「さかのぼって適用することは、法律的に難しい」という意見があがり、学内で議論が続いていた。

千葉大は3月31日をすぎるまでは、男性がまだ大学に在籍していると判断。今回の事態が懲戒処分に当たる可能性があるとして、卒業認定と学位授与を取り消し、卒業を留保した。29日、学生懲戒委員会を設置。警察の捜査の進展を見極め、男性の処分を検討する。

千葉大渉外企画課広報室の担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に「未成年誘拐の疑いで逮捕されたという報道を受けて、『卒業認定』『学位授与』の取り消しを視野に入れて、慎重な検討を重ねてきた。(男性の)身分は大学に残っていることになるが、今後の司法判断等も踏まえて最終的な結論を出すことになる」と答えた。

千葉大が発表したプレスリリースの全文は以下のとおり。

約2年間行方不明になっていた埼玉県朝霞市の女子中学生が保護された事件で、未成年者誘拐の疑いで逮捕された男性が今年3月まで在籍していた千葉大学が3月31日、男性の卒業認定と学位授与をいったん取り消し、卒業を留保することを決定したと発表した。

千葉大は3月28日の記者会見で、今回の事態を受けて、約2年前までさかのぼって、停学などの処分を適用する可能性があるとの見解を示していた。一方、大学側の見解に対して、「さかのぼって適用ができるのか」「学業とは別の話だ」などの指摘があがっていた。

さらに、千葉大の法学の教授からも「さかのぼって適用することは、法律的に難しい」という意見があがり、学内で議論が続いていた。

千葉大は3月31日をすぎるまでは、男性がまだ大学に在籍していると判断。今回の事態が懲戒処分に当たる可能性があるとして、卒業認定と学位授与を取り消し、卒業を留保した。29日、学生懲戒委員会を設置。警察の捜査の進展を見極め、男性の処分を検討する。

千葉大渉外企画課広報室の担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に「未成年誘拐の疑いで逮捕されたという報道を受けて、『卒業認定』『学位授与』の取り消しを視野に入れて、慎重な検討を重ねてきた。(男性の)身分は大学に残っていることになるが、今後の司法判断等も踏まえて最終的な結論を出すことになる」と答えた。

千葉大が発表したプレスリリースの全文は以下のとおり。

●本学の学生による不祥事への対応について

平成28年3月31日

国立大学法人千葉大学 学長 徳久 剛史

このたび、本学工学部の学生が、未成年者誘拐の容疑で逮捕されたことは、誠に遺憾であり、事件の被害者の方・ご家族のみなさまはもとより、地域のみなさま、世間のみなさまに多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。

現在、本学として、下記のように対応しております。ご報告申し上げます。

3月29日(火)、工学部の教授会において、本学の「学位授与の方針(※1)」では、社会規範の遵守を求めているところ、当該学生の行動は懲戒処分事由(※2)が疑われ再考の必要があるため、一旦、卒業認定及び学位授与を取り消し、卒業を留保することを決定しました。

また、本学は同日、学生懲戒委員会を設置しました。今後は、捜査等のゆくえをまって、当該学生の処分について、検討していく予定です。

なお、千葉大学学則第14条により、「学年は、4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。」とされており、当該学生の大学における学籍は、「3月31日」まで存続しています。

※1 千葉大学 学位授与の方針(抜粋)

「自由・自立の精神」…自立した社会人・職業人として、自己の設定した目標を実現するために自ら新しい知識、能力を獲得でき、自己の良心に則り社会の規範やルールを尊重して高い倫理性をもって行動できる。

※2 千葉大学学生の懲戒に関する規定(抜粋)

第3条(停学の基準)二 学内又は学外において重大な非違行為を行った場合

第4条(放学の基準)四 学内又は学外において重大な非違行為を行った場合で、特に悪質と判断された場合

第5条(悪質性及び重大性の判断)第3条第3号及び前条第3号から第5号までにおける悪質性は、当該学生の主観的態様、当該非違行為の性質、当該非違行為に至る動機等を勘案の上判断する。

2 第3条第2号及び前条第4号における重大性は、当該非違行為により被害を受けた者の精神的苦痛を含めた身体被害の程度、非違行為が社会に及ぼした影響等を勘案の上判断する。

(弁護士ドットコムニュース)

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