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【これって毒母?】アラサー娘の自宅に無断侵入して勝手に冷蔵庫整理…法的にもダメ!
2016年11月20日 00時00分

1人暮らしの自宅に、親が合鍵を使って無断で家に入ってくる。2ヵ月ほど前から、人生で初めての1人暮らしを始めた東京都在住のアヤコさん(29歳)は、困った親の行動に頭を悩ませています。

「1週間に1度くらいの割合で、母が無断で家に入り、食材を置いていくんです」。アヤコさんは引っ越しの時、母親に「あなたが倒れて動けなくなったり、万が一の場合に備えて」という理由で合鍵を求められ、渡したそうです。ところが実際は「万が一の場合」でもないのに、母親が合鍵を使って頻繁に家に入って来ることに悩んでいます。

「私が住んでいる家は母の職場から電車で15分ほどと近く、仕事の行き帰りに立ち寄っているようです。帰って冷蔵庫を開けたら、野菜や冷凍食品がぎっしりと並んでいたことも」。日用品だけではありません。「母が勝手にチョイスしたクッションや棚などの家具が設置されていて愕然としたこともありました」。

そこで、アヤコさんは「来るときは事前に連絡をちょうだい」と伝えたそうです。しかし「母は元々サプライズ好きなせいか、アポなし訪問をやめてくれません。私だけの空間が親に浸食されている気がして、はっきり言って不快です」。

いくら親とはいえ、無断で家に入られることは、プライバシーを覗かれているようであまり気持ちがいいことではないでしょう。1人暮らしの子どもの家に、親が合鍵を使って無断で入ることは、法的に問題ないのでしょうか?野上真由美弁護士に聞きました。

1人暮らしの自宅に、親が合鍵を使って無断で家に入ってくる。2ヵ月ほど前から、人生で初めての1人暮らしを始めた東京都在住のアヤコさん(29歳)は、困った親の行動に頭を悩ませています。

「1週間に1度くらいの割合で、母が無断で家に入り、食材を置いていくんです」。アヤコさんは引っ越しの時、母親に「あなたが倒れて動けなくなったり、万が一の場合に備えて」という理由で合鍵を求められ、渡したそうです。ところが実際は「万が一の場合」でもないのに、母親が合鍵を使って頻繁に家に入って来ることに悩んでいます。

「私が住んでいる家は母の職場から電車で15分ほどと近く、仕事の行き帰りに立ち寄っているようです。帰って冷蔵庫を開けたら、野菜や冷凍食品がぎっしりと並んでいたことも」。日用品だけではありません。「母が勝手にチョイスしたクッションや棚などの家具が設置されていて愕然としたこともありました」。

そこで、アヤコさんは「来るときは事前に連絡をちょうだい」と伝えたそうです。しかし「母は元々サプライズ好きなせいか、アポなし訪問をやめてくれません。私だけの空間が親に浸食されている気がして、はっきり言って不快です」。

いくら親とはいえ、無断で家に入られることは、プライバシーを覗かれているようであまり気持ちがいいことではないでしょう。1人暮らしの子どもの家に、親が合鍵を使って無断で入ることは、法的に問題ないのでしょうか?野上真由美弁護士に聞きました。

●家族同士でも、無断で家に入れば「住居侵入罪」に該当

刑法上の問題と、民事上の問題とで分けて説明します。

まず、刑法上の一般論として、ご家族同士であっても、居住されている方の意志に反したり、無断で家に入れば、「住居侵入罪」(刑法130条)に該当し、無断で入った方に刑罰が科される可能性があります。

今回のケースの場合、娘のアヤコさんはお母様に合鍵は渡しているものの、それは「万が一の時」のためということです。「事前に連絡がほしい」と伝えていることからすると、アヤコさんとしては、通常時は、家に来る前に自分の承諾を得てほしいという意思をお持ちのようです。

そうしますと、お母様の行動はこれに反しているため、お母様は刑事上の責任を問われる可能性があります。

次に、民事上の問題点として、住居というのは最もプライベートな空間ですから、お母様が無断で入ったことがプライバシーを侵害しているとして、損害賠償責任が発生する可能性があります。

また、無断で入った際にアヤコさんの家で知った事実を、アヤコさんの承諾なく他の人に話したりすれば、プライバシー権の侵害や名誉棄損の問題も生じます。

以上のとおり、法律的にはお母様に何らかの責任が発生する可能性はあります。しかし、お母様も良かれと思っておられることが推測されますので、まずは鍵を返してもらうよう、話し合いをされるのが良いかと思います。

(弁護士ドットコムライフ)

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