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PC遠隔操作に懲役8年――佐藤弁護士「刑事司法が勝ち、私は敗れるべくして敗れた」
2015年02月04日 15時40分

男性4人が誤認逮捕されたパソコン遠隔操作事件で、威力業務妨害などの罪に問われた元IT関連会社社員・片山祐輔被告人の判決が2月4日、東京地裁であり、大野勝則裁判長は懲役8年(求刑・懲役10年)を言い渡した。

判決後、東京・霞が関の司法記者クラブでは、弁護人をつとめる佐藤博史弁護士の記者会見が開かれた。佐藤弁護士は「今日まで、片山被告人の弁護人を続けられているということに、悔いはない」「真実が歪められることがなかったという意味では、刑事司法が勝ち、私は敗れるべくして敗れた」と述べた。

男性4人が誤認逮捕されたパソコン遠隔操作事件で、威力業務妨害などの罪に問われた元IT関連会社社員・片山祐輔被告人の判決が2月4日、東京地裁であり、大野勝則裁判長は懲役8年(求刑・懲役10年)を言い渡した。

判決後、東京・霞が関の司法記者クラブでは、弁護人をつとめる佐藤博史弁護士の記者会見が開かれた。佐藤弁護士は「今日まで、片山被告人の弁護人を続けられているということに、悔いはない」「真実が歪められることがなかったという意味では、刑事司法が勝ち、私は敗れるべくして敗れた」と述べた。

●「昨年5月のどんでん返し、一生で二度とない」

片山被告人は2012年6月から9月にかけて、遠隔操作型ウイルスを他人のパソコンに侵入させ、脅迫メールを自治体に送ったり、旅客機の爆破予告メールを送るなどした。4人が関与を疑われて誤認逮捕される事態に発展した。

片山被告人は2013年2月に逮捕されてから、一貫して無罪を主張してきたが、保釈中の2014年5月、真犯人を装った「自作自演」のメールを送信したことが発覚し、一転して犯行を認めた。佐藤弁護士はこの日の会見で、目を赤くしながら、裁判を振り返った。

「昨年5月にどんでん返しにあった。こんなことは一生で二度となく、感慨深いものがある。今日まで、彼の刑事弁護人を続けられているということに、悔いはない」

さらに、「真実が歪められることがなかったという意味では、刑事司法が勝ち、私は敗れるべくして敗れた。刑事事件の解決としては、これで良い」と語った。

●懲役8年「最悪の結果は免れた」

佐藤弁護士によると、この日の判決前に、片山被告人と接見したという。その際、片山被告人は「胃が痛む」という言葉を口にして、緊張した様子だった。佐藤弁護士は「判決を予想してもしょうがない」「判決をよく聞くように」と指示したそうだ。

判決について「懲役7年がベストだろう」と期待していた佐藤弁護士。しかし、フタを開けると、1年長い「懲役8年」だった。「弁護団の中には『懲役9年の判決もありうる』という意見もあり、最悪の結果は免れた」と語った。

片山被告人は判決後、それほど落ち込んでいた様子もなく、強い不満を口にすることはなかった。しかし、「『これで刑に服します』という風にも言わなかった」(佐藤弁護士)という。控訴について、佐藤弁護士は「判決が重いことには間違いないので、内容を精査して検討する」と語った。

(弁護士ドットコムニュース)

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