地域活性化などに取り組む人たちのイベント「全国まちづくり若者サミット2025」が3月1、2の両日、東京都新宿区の日本青年館で開かれた。
2023年に史上最年少の26歳で市長に初当選した芦屋市の髙島崚輔(りょうすけ)市長(28)がゲストで登場し、「市長になって感じたのは、想像以上にまちを変えられるということ。みなさんには市長という仕事も頭の片隅に置いてほしい」と話した。
●髙島氏「市長の使命は市民の可能性を拓くこと」
若者サミットは一般財団法人「日本青年館」と日本青年団協議会が主催。全国27都道府県から約100人が参加し、地域が抱える課題や秘める可能性を熱く語り合った。
初日に招かれた髙島市長は冒頭、ChatGPTなどの生成AIの話題を持ち出し、「人間だけにしかできないことにチャレンジ、集中しないと、気づいたら何もできなくなるということになりかねない」と話した。
髙島市長の話を聞く参加者たち
東日本大震災が起きた後、福島県で復興活動に取り組む高校生たちと出会ったことが「私の最も大きい転機だった」と振り返り、「私の通っていた高校では成績が重視されていたが、ふるさとのために活動する同世代がいると知り、高校生でもできることはあるんだなと思った」という。
高島市長は「市長の使命は市民の可能性を拓くこと」と語り、芦屋市長に当選してから子どもたちが主体的に学べる学校づくりに取り組んできたことを紹介。
そして、市長という仕事の魅力を次のように語りかけた。
「学校が変わり始めたことで地域も少しずつ変わり始めている。国全体が一気に変わるのはなかなか大変かもしれないが、地方自治という単位だと結構いろんなことができる。
市長になってみて感じたのは、想像以上に町を変えることができるということ。みなさんには市長という仕事も頭の片隅に置いてほしい」
●地域の魅力や課題を語り合う
参加者はその後、6人ほどのグループに別れて、自分が住む地域の魅力や課題となっていること、個人として実行できる取り組みなどをワークショップ形式で意見交換した。
ワークショップに取り組む参加者たち
3月2日には、多世代の住民が集まれる居場所を作っている東京都多摩市の団体や、「やさしい日本語で防災かるた」を活用した茨城県つくば市の個人など各地の取り組み事例の発表があった。
そして、参加者は2日間の活動で得た気づきや感想を共有し、「ネクストアクション宣言」として各地域に戻ってから自分が何に取り組むのかを表明した。