9746.jpg
生徒に「大人のおもちゃ」渡した講師を書類送検、条例でどう規制されているのか?
2017年06月20日 16時32分

高校生になった元教え子に、アダルトグッズをあげた外部講師が書類送検ーー。神奈川県警は6月14日付けで、中学校の吹奏楽部で外部講師を務めていた男性を県青少年保護育成条例違反(有害玩具の贈与)の疑いで書類送検した。

神奈川新聞によると、男性は3月下旬から4月上旬にかけて、アダルトグッズ計4個を未成年のOBや男子部員に渡したとみられている。グッズは川崎市内で購入されたもので、1個数百円〜千数百円だという。

高校生になった元教え子に、アダルトグッズをあげた外部講師が書類送検ーー。神奈川県警は6月14日付けで、中学校の吹奏楽部で外部講師を務めていた男性を県青少年保護育成条例違反(有害玩具の贈与)の疑いで書類送検した。

神奈川新聞によると、男性は3月下旬から4月上旬にかけて、アダルトグッズ計4個を未成年のOBや男子部員に渡したとみられている。グッズは川崎市内で購入されたもので、1個数百円〜千数百円だという。

●一体、どんなグッズを贈ったのか?

神奈川県青少年保護育成条例では、「有害がん具」の販売や贈与などを禁止している(条例15条) 。有害がん具には、バタフライナイフなど凶器になるものや、「性的感情を著しく刺激」するもの、ブルセラ防止のため「使用済み下着」なども含まれる。

これ以外に、施行規則7条で、特定の構造や機能を持つものも有害がん具とされている。今回のグッズは、下記のいずれかに該当する可能性が高そうだ。

(1) 性器の形状をなし、またはこれに著しく類似するもの、(2)性器を包み込み、または性器に挿入する構造を有するもの、(3) 全裸または半裸の人形(気体または液体で膨張させ人形となるものを含む)。

神奈川県では「有害がん具」のほか、青少年に対し「有害図書」を販売、贈与することなども禁じている(条例10条)。

●他の都道府県ではどうなの?

東京都の青少年健全育成条例にも、類似した条文がある。しかし、東京都では「業者」に対し、青少年に対するアダルトグッズや有害図書の販売・頒布を禁止する一方、業者以外については、閲覧や所持を「させないよう努めなければならない」と、努力義務にとどまっている(条例9条、13条)。

東京と同様で、業者以外には努力義務・注意義務しかない都道府県には、大阪府や福岡県、愛知県などが挙げられる。また、北海道については、業者に対しては禁止しているが、一般人に対する努力義務はない。どうやら、これらの都市に比べ、神奈川県の規定は厳しいものだと言えそうだ。

いずれにしても、青少年をアダルトグッズなどに触れさせることは、望ましくないと考える都道府県の方が多いようだ。ジョークのつもりでも、大人の階段を登りつつある生徒たちへのプレゼントには注意すべきだろう。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る