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ファウルボール直撃で「球団の責任」認める判決…スタンド応援はどうあるべき?
2016年05月24日 10時40分

札幌ドームで2010年8月、プロ野球の試合を観戦中だった女性の右目にファウルボールが直撃し、失明するという事故が起きた。女性は、北海道日本ハムファイターズや球場を保有する札幌市などに対して、計約4700万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。その控訴審判決が今年5月20日、札幌高裁であった。

報道によると、佐藤道明裁判長は、球場の設備が「観客の安全確保が不十分だった」として札幌市と球団に計約4200万円の支払いを命じた1審判決を変更した。球団のみに約3300万円の支払いを命じて、市と球場への請求は棄却した。

女性は2010年8月、日本ハム―西武戦を札幌ドーム一塁側内野席で家族と観戦していたところ、打者が打ったファウルボールが右目を直撃して失明した。女性は訴訟で、「球場の安全管理に欠陥があった」と主張し、球団側は「場内アナウンスなどで注意喚起した」などと反論した。

1審の札幌地裁は、女性の訴えを認めて、球団などに計約4200万円の支払いを命じ、球団側が控訴していた。今回の高裁判決をどう評価するか。大久保誠弁護士に聞いた。

札幌ドームで2010年8月、プロ野球の試合を観戦中だった女性の右目にファウルボールが直撃し、失明するという事故が起きた。女性は、北海道日本ハムファイターズや球場を保有する札幌市などに対して、計約4700万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。その控訴審判決が今年5月20日、札幌高裁であった。

報道によると、佐藤道明裁判長は、球場の設備が「観客の安全確保が不十分だった」として札幌市と球団に計約4200万円の支払いを命じた1審判決を変更した。球団のみに約3300万円の支払いを命じて、市と球場への請求は棄却した。

女性は2010年8月、日本ハム―西武戦を札幌ドーム一塁側内野席で家族と観戦していたところ、打者が打ったファウルボールが右目を直撃して失明した。女性は訴訟で、「球場の安全管理に欠陥があった」と主張し、球団側は「場内アナウンスなどで注意喚起した」などと反論した。

1審の札幌地裁は、女性の訴えを認めて、球団などに計約4200万円の支払いを命じ、球団側が控訴していた。今回の高裁判決をどう評価するか。大久保誠弁護士に聞いた。

●「意外な判決だった」

「野球ファンとしても、弁護士としても、個人的には、少し意外な判決でした」。大久保弁護士はこのように切り出した。今回の判決をどう評価するのか。

「ざっくりいえば、球団(日本ハム)の責任を認めながらも、球場(札幌ドーム)は『安全性を欠いてはいなかった』とした点について評価しています。

もし、球場側が安全性を欠いていると判断されたならば、従前あった内野ネットよりも高いネットを内野席全体に張りめぐらせなければならないことになったかもしれません。

それでは、およそ臨場感に欠けることになることは明らかですから、そのようなことにならずにすむことは、一野球ファンとしてもよかったと思います。

一方で、今回の判決は被害者救済を図ったものともいえます。

まったく野球の知識のない(ファウルボウルの危険性をほとんど認識していない)人や、幼児を連れていてボール回避が困難な人への安全配慮という点では、問題点があったと指摘されれば、そのとおりかもしれません」

今後、こうした事故を防ぐために、主催側はどのような対応をとるべきだろうか。

「安全配慮義務に関連していえば、スタンドでアルコール飲料を販売することや、スタンドでファイターズガール(チアガールチーム)が音頭をとって応援することなどは、ボールに対する意識を弱めてしまうおそれがあると思います。

個人的には、メジャーリーグのように、応援の鳴り物がなく、ボールがミットに吸い込まれる音やバットがボールに当たる音を聞けるのが理想と考えています。

今後は、チケットの裏にその座席がファウルボウルがくる割合が多い・少ないと記載して注意を促したり、大型ビジョンでファウルボウルの危険性(球速など)を写したり、高齢者や招待客にはネット近くの席を割り当てたりするなどを考える必要があるのではないでしょうか」

大久保弁護士はこのように話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

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