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ナイフやハサミの携帯で、誤認逮捕も…ややこしい「銃刀法」と「軽犯罪法」を整理
2018年08月13日 09時55分

7月22日、ナイフを携帯していたことから銃刀法違反の疑いで東京都小平市の男子高校生(15)が逮捕された。しかし刃体の長さが規定に足りず、違反に当たらないことから約9時間後に釈放されたと報じられている。

男子高校生が携帯していた刃物は、刃体の長さが約6.2センチで、同法が一般的な違反として規定する6センチを超えていた。その後、例外規定で刃の長さが7センチを超えないと違反とならない「切り出しナイフ」に該当することが判明したそうだ。

刃物をめぐるこのような誤認逮捕はこれまでも何度も発生している。銃刀法違反に該当する刃物とは、一体どのようなものなのか。実際に銃刀法違反・軽犯罪法違反で逮捕された事例を元に解説する。(監修:冨本和男弁護士

△ハサミを携帯していた男性を誤認逮捕

2017年6月11日には、兵庫県神戸市で職務質問を受けていた男性が、車内のダッシュボードからはさみが見つかり、刃体の長さが約7センチだったという理由で現行犯逮捕された。しかし銃刀法の規定では、はさみは「刃体の長さが8センチを超える場合」に違反になるとされている。男性が携帯していたはさみは刃体の長さが約7.5センチしかなかったため、男性は釈放。

△折りたたみ式ナイフを携帯していた男性を逮捕

2014年9月15日には、刃体の長さ8.2センチの折りたたみ式ナイフを携帯していたとして、男性が逮捕されている。しかし、再度計測し直したところ刃体の長さが7.6センチだったことが判明し、「刃体の長さが8センチを超える」場合に違法と定める銃刀法に抵触しないことから、この男性は釈放された。

△バタフライナイフを携帯していた男性を逮捕

さらに、2010年4月20日には、東京都荒川区内の路上で、護身用としてポケット内に刃体の長さ11センチのバタフライナイフを携帯していたとして、男性が逮捕されたが、別の署員がナイフを調べたところ、紙も切れず殺傷能力がないことが判明したため、釈放された。

7月22日、ナイフを携帯していたことから銃刀法違反の疑いで東京都小平市の男子高校生(15)が逮捕された。しかし刃体の長さが規定に足りず、違反に当たらないことから約9時間後に釈放されたと報じられている。

男子高校生が携帯していた刃物は、刃体の長さが約6.2センチで、同法が一般的な違反として規定する6センチを超えていた。その後、例外規定で刃の長さが7センチを超えないと違反とならない「切り出しナイフ」に該当することが判明したそうだ。

刃物をめぐるこのような誤認逮捕はこれまでも何度も発生している。銃刀法違反に該当する刃物とは、一体どのようなものなのか。実際に銃刀法違反・軽犯罪法違反で逮捕された事例を元に解説する。(監修:冨本和男弁護士

△ハサミを携帯していた男性を誤認逮捕

2017年6月11日には、兵庫県神戸市で職務質問を受けていた男性が、車内のダッシュボードからはさみが見つかり、刃体の長さが約7センチだったという理由で現行犯逮捕された。しかし銃刀法の規定では、はさみは「刃体の長さが8センチを超える場合」に違反になるとされている。男性が携帯していたはさみは刃体の長さが約7.5センチしかなかったため、男性は釈放。

△折りたたみ式ナイフを携帯していた男性を逮捕

2014年9月15日には、刃体の長さ8.2センチの折りたたみ式ナイフを携帯していたとして、男性が逮捕されている。しかし、再度計測し直したところ刃体の長さが7.6センチだったことが判明し、「刃体の長さが8センチを超える」場合に違法と定める銃刀法に抵触しないことから、この男性は釈放された。

△バタフライナイフを携帯していた男性を逮捕

さらに、2010年4月20日には、東京都荒川区内の路上で、護身用としてポケット内に刃体の長さ11センチのバタフライナイフを携帯していたとして、男性が逮捕されたが、別の署員がナイフを調べたところ、紙も切れず殺傷能力がないことが判明したため、釈放された。

●「正当な理由」も求められる

警察官でも時に間違うことがあるようだ。では、銃刀法・軽犯罪法では、どのように規定されているのか。

まず、銃刀法は、「何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが6センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない」と規定した上で、以下の例外規定を置いている。

はさみ(刃体の長さが8センチ以下、刃体の先端部が著しく鋭く、かつ、刃が鋭利なはさみ以外のはさみ)

折りたたみナイフ(刃体の長さが8センチ以下、刃体の幅が1.5センチを超えず、刃体の厚みが0.25センチを超えないもので、刃体をさやに固定させる装置を有していないもの)

くだものナイフ(刃体の長さが8センチ以下、刃体の厚みが0.15センチを超えないもので、刃体の先端部が丸みを帯びているもの)

切り出しナイフ(刃体の長さが7センチ以下、刃体の幅が2センチを超えず、刃体の厚みが0.20センチを超えないもの)

なお、軽犯罪法は、「正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者は、拘留又は科料に処する」と定めている。

つまり、銃刀法では認められるナイフであっても、「正当な理由がない」のにもかかわらず携帯していた場合には、軽犯罪法に基づき処罰を受ける可能性があるのだ。

(弁護士ドットコムニュース)

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